倉庫業登録・許可申請について
倉庫業登録・許可申請を行うためには登録が必要です。
しかし、この登録までは難易度が高く、多くの要件をクリアし、しっかりとした申請書類を提出することが必要です。
倉庫業登録・許可申請に際しては、倉庫業登録・許可申請について規定している倉庫業法だけでなく、市街化調整区域などの制限区域に抵触していないかも重要になってきます。
倉庫を設置しようとしたら、制限区域だったということがないよう、個別の事情に応じた要件該当性を調べていく必要があります。
したがって、東京の倉庫業登録・許可申請に不安等がある場合には、スムーズに代行可能な経験豊富な行政書士に相談することをお勧めします。
1.倉庫業の要件・基準
倉庫業は倉庫業法によって規定されており、倉庫業の適正な運営を確保することで、利用者の利益が保護されています。
そのため、倉庫業を始めるには、事前に国土交通省から登録の認可を受ける必要があります。
倉庫登録の要件・基準は次の通りです。
①倉庫を建てる土地が、法令等の制限を受けていないこと
倉庫として利用する土地が、倉庫として使用できる施設かどうかを建築・購入・賃借する前に確認する必要があります。
次に該当する場合は、倉庫業を営むことができません。
・準住居地域を除く住居地域 ・開発行為許可を有しない市街化調整区域 |
なお、当該土地・区域が制限区域かどうかは、各地方自治体建築部局等で確認することが必要です。
②倉庫が施設設備基準に適合していること
倉庫が建築基準法に違反しない建築物であることが必要です。
例えば、危険物及び高圧ガス(第7類物品)、10℃以下保管の物品(第8類物品)以外のすべての物品の保管が可能である1類倉庫の場合は、以下の13の施設基準を全て満たす必要があります。
・使用権限
保有する倉庫の土地や建物の所有権があれば満たします。登記簿謄本を添付します。
・関係法令適合性
建築基準法に適合していれば満たします。「用途」が「倉庫業を営む倉庫」である建築確認済証・完了検査済証を添付します。
・土地定着性等
屋根や壁があり、土地に定着していれば満たします。立面図を添付します。
・外壁、床の強度
鉄筋コンクリート造で窓がなく、床に3,900N/㎡以上の耐力があれば満たします。確認済証、立面図、矩計図で示します。
・防水性能
鉄筋コンクリート防水塗装の屋根・外壁で雨樋があることと、庫内に樋や水を使用する設備がなければ満たします。矩計図で示します。
・防湿性能
床面がコンクリート造で、金ごて押さえ仕上げであれば満たします。矩計図で示します。
・遮熱性能
屋根と外壁が耐火構造であれば満たします。確認済証で示します。
・耐火性能
耐火建築物であれば満たします。確認済証で示します。
・災害防止措置
倉庫外壁から10m以内に建築物がなく、災害防止措置の必要がなければ満たします。倉庫の配置図を添付します。
・防火区画
庫内に事務所がある場合でも、耐火構造の床と壁で区画していて、開口部が防火戸であれば満たします。平面図と矩計図を添付します。
・消火設備
各階において、床面積200㎡ごとに1単位以上の消火器が設置されていれば満たします。消火器の仕様、位置の詳細を表示した平面図が必要です。
・防犯措置
施錠扉、網入ガラス、機械警備が備えつけられていて、さらに出入口の周辺部
は照明の明るさが2ルクス以上あり、かつ部外者管理施設と隣接していなければ満たします。建具表、照明装置詳細表示の平面図、警備契約書を添付します。
・防鼠措置
地窓、下水管、下水道に通じる箇所全てに金網が設置されていて、かつ出入口の扉が完全密閉できれば満たします。平面図、矩計図、建具表を添付します。
2.倉庫業登録申請の行政書士による代行
倉庫業登録申請は、国土交通省等のホームページにあるチェックリスト通りに書類を揃えて申請すれば許可されるというものではなく、図面の精査や要件判断の項目が多いため、登録までは難易度が高い許認可申請とされています。
また、運輸局との事前相談での調整もとても重要になってきます。
この点、行政書士は公的に認められた許認可手続きのプロフェッショナルです。
もっとも、行政書士は、官公庁への許認可申請、相続など、扱う専門分野は他の士業と比べても最も多岐に渡っているため、倉庫業には詳しくないという行政書士もいます。
したがって、倉庫業登録申請の代行を依頼される場合には、倉庫業登録申請に詳しい行政書士に依頼することが重要です。
倉庫業登録についてご不明な点がございましたら、諸井佳子事務所にご相談ください。