運送業許可を取るメリット・デメリットについて
今後新規事業として運送業を検討しているが、許可を取るには厳しい要件があり難しいと聞いた。許可を取得した場合、どのようなメリットがあるのだろうか?
このように許可を取得したいと思っている方の中で、許可を取った場合のメリットやデメリットをまずは知っておきたい。と思われる方がほとんどでしょう。
そこで今回は、運送業許可を取るメリット・デメリットというテーマで詳しく解説致します。
運送業許可とは?
運送業許可とは、自社以外の方から報酬を得て荷物を運ぶ場合に必要な許可です。
例えば自社の荷物を報酬など発生せずに運ぶだけ。というような場合は運送業許可を取得する必要はありません。
ここで大切になってくるのが、他者から依頼を受けて荷物を運ぶ際に報酬が発生するかしないかです。
ですので、報酬が発生して荷物を運ぶ事業を行う場合は必ず運送業許可を取得しなければなりません。
しかしながら許可を取得している会社から名前だけを借りて、運送業を行っている事業者も少なくありません。これは名義借りと言って、見つかった場合はもちろんですが違法なので業務継続できません。
このように、許可なしに事業を行っている運送会社の方も中にはいらっしゃいます。
そこで次項では、許可を取得するメリットなどを詳しくご説明します。
許可を取得した場合のメリット
許可を取得すると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?
➀信頼度がアップする
運送業の許可は、厳しい要件をクリアしなければ取得できません。
そのため、許可を持っていると外部からの信頼度は確実にアップします。
また金融機関などから融資を受けたい場合でも、許可があるかないかでは全く違ってきます。
名義借りなどを行って営業している運送業者が、仮に融資したいと銀行にお願いしても、違法である名義借りをしている企業には、もちろんですが融資は行えません。
信頼度がアップするだけで今後の事業拡大にも繫がり、様々なメリットが生まれることは経営者にとって大変有り難い事だと思います。
➁営業しやすくなりビジネスチャンスが生まれる
許可を取得して信頼度がアップする事で、ビジネスチャンスが生まれます。
安全面に配慮して適正な価格で運営している運送業者であれば、取引先も信頼して依頼したいと思うのが当然です。
勤務体制の面で考えても、適正な労働時間を守って運営している会社に依頼することで、万が一の事故防止にも繫がり、安心して任せられると思われる取引先の方がほとんどでしょう。
➂クリーンな経営を堂々と行える
運送業では許可を取ることが難しく、名義借りを行って運営している事業者も現状として少なくありません。
名義借りを行っていると、事故等を起こして見つかった場合、職を失うことにもなりかねません。
しかし許可を取得していることで自信を持って経営を行うことができ、事業存続の面でも大変メリットがあると言えるでしょう。
許可を取得した場合のデメリット
運送業は許可を取得する為に厳しい要件があり、すべて満たすことができなければ許可は取得できません。許可を取得した場合どのようなデメリットが生じるのでしょうか?
➀許可を取得する為に時間やお金がかかる
運送業の許可を取得するには、様々な要件を満たす必要があります。
その中の1つとして、要件を満たした営業所や駐車場の物件を確保することが条件となっています。
例えば調整区域外で見つける必要があり、駐車場に関しては面している道路の幅や、交通安全上問題のない場所であることが条件です。
この土地や物件を見つけることが意外と難しく、条件に合う物件等を借りるとなるとその分賃料も発生してきます。
このように許可に必要な物件探し、それにかかる費用等を考えるとかなりの労力が必要になるので、お忙しい皆様にとってはデメリットと言えるでしょう。
➁経費がかかってくる
厳しい法令の中で定められている許可ですので、取得すると事業用の車両ナンバーに変更しなければなりません。
そうすると車検とは別で、3か月に1回使用しているトラックの点検を行うことが義務付けられています。もちろんですが整備費用もかかってきますので、その分経費がかかってきます。
➂事務管理に係る労力が発生する
許可を取得した運送業者には細かいルールが定められており、日々の日報や勤務時間など細かく記入しておく必要があります。これは長時間労働などになりがちな運送業での事故等を予防する為でもあります。
日々の安全や勤務状態など、帳簿を作成して保存しておくことが義務付けられています。
このように、許可を取得することで様々なメリット・デメリットは生じます。
これらを踏まえた上で、許可を取得するかどうかの検討を行う事が大切です。
まとめ
今回は、運送業許可を取るメリット・デメリットについて解説致しました。
資金面や労力を考えると、許可を取得することはデメリットと言えるのかもしれませんが、今後の事業拡大や事業存続などを考えると、許可を取得することで様々なメリットが生まれて労力以上のものが得られるとも言えます。
しかしながら日々お忙しい皆様にとって、厳しい要件等をクリアして許可を取得することは容易な事ではありません。
そのような場合は、申請代行の専門家である行政書士までお気軽にご相談ください。