自家用自動車を有償で貸渡す事業(レンタカー事業)を始めるには、運輸支局に申請のうえ、
自家用自動車有償貸渡許可を受ける必要があります。貸渡事業の許可がなければ、レンタカー車両の登録はできません。
レンタカー事業の許可は、法人・個人のどちらでも取得可能です。
現代の若者の自家用車所有率は、年々減少傾向にあると言われています。
自家用車を持つには、自動車購入費の他に、車検代、税金、保険代、駐車場代などの維持費が結構かかります。
それに比べ、車を乗りたいとき、必要なときだけ低料金で利用できるレンタカーは、人気が高まりつつあります。
また、レンタカー専門業のみならず、自動車整備工場、ガソリンスタンド、中古自動車販売事業者が、
兼業としてレンタカー事業を行う傾向にもあるようです。
① 許可基準
◆申請者及びその役員が次に定める欠格事由に該当しないこと。
ア、許可を受けようとする者が一年以上の懲役又は禁錮の刑処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過していない者。
イ、許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しを受け、取消しの日から二年を経過していない者。
ウ、許可を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合において、その法定代理人が前記のア及びイに該当する者。
エ、許可を受けようとする者が法人である場合において、その法人の役員(いかなる名称によるか問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む)が前記のア~ウに該当する者であるとき。
◆申請者(法人の場合は役員全員)が申請日前二年前以降において、自動車運送事業経営類似行為により処分を受けていないこと。
◆貸渡自動車は、事故を起こした場合に備えて、十分な補償を行いうる自動車保険に加入するもの。
ア、対人保険 1名につき8000万円以上
イ、対物保険 1事故につき200万円以上
ウ、搭乗者保険 1名につき500万円以上
◆レンタカー事業に使用する車両全てを止めることができる駐車場を確保していること
②レンタカー許可の車種
自家用乗用車
自家用マイクロバス(乗車定員29人以下であり、かつ、車両長さが7m以下の車両に限る)
自家用トラック
その他(特殊用途自動車等)
二輪車
③ 許可申請書に添付する主な書類
①自家用事業自動車有償貸渡許可申請書
②確認書
③事務所別車両一覧表
④貸渡しの実施計画書等
⑤貸渡料金及び貸渡し約款を記載した書類
⑥個人の場合は住民票、法人の場合は法人登記簿謄本
④ 許可に付する条件
ア、自家用バス(乗車定員30名以上または車両長さ7m超)、霊柩車の貸渡しはできません。
イ、貸渡しに附随した運転者の労務提供(運転者の紹介、あっせんを含む)を行ってはいけません。
ウ、貸渡自動車の配置事務所において、貸渡し状況、整備状況等車両の状況を把握し、適確な管理の実施が必要です。
エ、毎年一回、貸渡実績等の所定の報告書を運輸支局に提出する必要があります。
⑤事務所責任者
事務所ごとに事務所責任者を配置する必要があります。責任者に資格要件はありません。
⑥整備管理者が必要な場合
以下の場合は整備管理者を定めて運輸支局に届出を出す必用があります。
ア、自家用自動車10台以上をレンタカー登録する場合。
イ、乗車定員11人以上のバス一台以上をレンタカー登録する場合。
ウ、総重量8t以上のトラック五台以上をレンタカー登録する場合。
⑦整備管理者の要件
整備管理者は、下記のいずれかに該当する者しか選任できませんのでご注意ください。
ア、三級以上の自動車整備技師の資格を持っている者。
イ、資格がない場合は自動車の整備管理の実務経験が二年以上ある者が、「整備管理者選任前講習を修了」した者。
⑧マイクロバス
マイクロバスをレンタカーとして使用する場合は、レンタカー事業を始めて二年以上の経営実績が必要となります。
また、車両停止の処分を受けていないことも条件に入ります。
※マイクロバスとは、車両総重量八t未満、最大積載量五t未満の車体で、乗車定員が10~29人である小型のバスのことを指します。
⑨ 必要費用
・許可後、登録免許税9万円の納付が必要になります。(許可書交付の際に納付書が渡されます。)