法令試験
運送業許可を取得するには、役員が法令試験に合格しなければなりません。
この法令試験とは、運行管理者試験とは異なります。
①受験する人
法人の場合は常勤役員のうち一人、個人の場合は事業主が受験します。
運行管理者資格を持っていてもそれとは別物ですので、誤解の無いようご注意下さい。
②試験日
申請書が運輸支局で受理されると、試験日の約二週間前に案内の通知が申請者に郵送されます。
試験は奇数月に行われますので、二ヶ月に一回のチャンスとなります。
奇数月に受理された場合は、翌々月の奇数月前半に、偶数月に受理された場合は、翌月の後半が試験日となります。
具体的には、一月に受理された場合は三月前半に試験、二月に受理された場合は、翌三月後半が試験日となります。
③出題範囲等
・貨物自動車運送事業法
・貨物自動車運送事業法施行規則
・貨物自動車運送事業輸送安全規則
・貨物自動車運送事業報告規則
・自動車事故報告規則
・道路運送法
・道路運送車両法
・道路交通法
・労働基準法
・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
・労働安全衛生法
・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
・下請代金支払遅延等防止法
試験時間は五○分で、問題は全部で三○問。問いは○×形式で、二十四問正解で合格です。
かなり厳しい試験ですが、運行管理者試験の問題が理解できていれば合格は十分可能です。
当日参考資料などを持ち込むことはできませんが、関係法令等の条文が載った条文集が配布されます。
国土交通省のホームページに法令試験の条文集が載っていますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
④チャンスは二回
法令試験は一度失敗しても、一回だけ再試験のチャンスがあります。
その二度目の試験は、別の常勤役員の方でも構いません。それでも失敗した場合は、申請の取り下げとなります。
二度の試験が不合格となってしまいますと、申請のやり直しになりますので
、許可取得までかなりの時間を要してしまいます。そうならないためにも、
二回以内で合格するよう準備をしっかりしましょう。
⑤試験結果
結果は一週間ほどで通知されます。
⑥試験対策
当事務所が一般貨物自動車運送事業営業許可取得のお手伝いをさせていただいている方の中にも、
法令試験に不安をお持ちの方は多いです。
運行管理者試験に合格している方でも、内容は異なるわけですから、事前の対策は必要だと考えます。
国土交通省のホームページに「法令試験条文集」が掲載されているので、
印刷し何度も読み込んでおくと良いでしょう。試験当日は条文集が配布されるので、
全てを暗記する必要はないかも知れませんが、試験時間は50分。30問あるので、
1問2分弱で答えなければなりません。内容の理解はもちろんのこと、回答するスピードも
ポイントですので、条文をすぐに探せる程度の読み込みはしておいた方がよいと思います。
運行管理者資格をお持ちで無い役員の方は、これを機に運行管理者資格を取ってしまうのも
一考かと思います。